ニゴウ

茶トラ オス


 

 

ワイがニゴウや。

 

なんか文句あっか。

 

喧嘩ならいつでも買うぜ。


御年9歳にしてこの迫力。
三度の飯よりケンカが好きで、ついたあだ名が「ヤーさんネコ」。
地震と雷以外、世の中に怖いものはなく、
己の我を貫き通し、18歳まで好き放題に生きた。
いろいろあったけど、まあ幸せな猫生だったんじゃないかな。


同じ階の4つ隣りの部屋で、子ネコが3匹生まれた。

ネコをよく知らない私は、物珍しさに毎日覗きにいっては、「ネコの子供って意外と可愛いんだ」などと暢気なことを言っていた。

この時はまだ、数か月後に自分を襲う運命には、これっぽっちも気づいていない私だった。(下へ続く)

三匹兄弟の真ん中だから「2号」。
写真で兄(1号)を枕に、弟(3号)を足蹴にしてるのがこいつ。

名前はニゴウだが、すべからく一番でなければおさまらない性格。

好奇心と闘争心は半端ではなく、地域のボス猫だった父親に隙あらば喧嘩をふっかけていた。



ある日、ふと気付くとその中の1匹が私の部屋に住み着いていた。
犬だと、「○月○日から飼い始めた」という区切りは明白だ。 ところがニゴウの場合は、いつの間にか同じ布団で寝て、 「ご飯くれ」と鳴いていた。
気がつくとネコ缶やカニカマを買いに走りながら「???」状態の私に、猫に詳しい友達が言った。
「おめでとう、猫だましにかかったね」

珍しいヒラメとの2ショット。

敵はいないかと虎視眈々のニゴウの後ろで、リラックスしているヒラ君。








 そんなニゴウも老いには勝てず・・・



ニゴウが息を引き取った時、私は買い物に出てたんだけど、不意に気配を感じて、「あ、今逝った」とわかった。

18年もいっしょにいたら、魂の一部がつながってるようなものだもんね。しばらくは私も半分死んでたなぁ。